ワーカーズ・ダイジェスト 津村記久子

大阪のデザイン事務所で働く傍ら、副業でライターの仕事をこなす奈加子。ある日、上司の代理の打ち合わせ先で、東京の建設会社に勤める重信と出会う。共に人間関係や仕事の理不尽に振り回され、肉体にも精神にも災難がふりかかる32歳。たった一度会ったきり、しかし偶然にも名字と生年月日が同じだったことから、ふとした瞬間に互いを思いです。男女のささやかな繋がりを描くお仕事小説。

出会いの中で名字や生年月日や好きなことなど共通点が多いと潜在的にも相手のことを意識してしまうんだろうか。例えば自分が女としてそれが冴えないおっさんだった場合は逆に思い出したくないってならないだろうか。って書いている今思ったけど見た目どうこうよりやっぱり思い出したくない相手として思い出すからやはり意識にはあるんだろう。共通点に関しては何か思わずにはいられない。

最後益田ミリさんの解説的な四コマ漫画が載っていて、なるほど!こうゆうことを伝えたいのかと唐突に理解した。

”いいこともなければ悪いこともない”それって幸せですよね。

 

 

砂漠 伊坂幸太郎

仙台市の大学に進学した春、なにごとにもさめた青年の北村は四人の学生と知り合った。少し軽薄な鳥井、不思議な力が使える南、とびきり美人の東堂、極端に熱くまっすぐな西嶋。麻雀に勤しみ合コンに励み、犯罪者だって追いかける。一瞬で過ぎる日常が光と痛みと小さな奇跡でできていたー。

この本の中に大学4年間の全てが詰まっていました。でも今の大学生も合コンに励んで麻雀に勤しむのかな?一昔前の時代設定なのかな?

これを読んでいると間違いなく麻雀がやりたくなります。4年間で終始麻雀をやってます。笑 そんなに楽しいのってなっちゃいますよ。

それと4人の会話が面白いですし、しっかり伏線もはってるし、よく事件が起こるんで読んでいて飽きません。

それと一番心を動かされた人物はやはり西嶋です。西嶋の言いたいことがすごくわかるなと思った。言ってるだけじゃなくて行動しろとゆうことですよね。

 

クライマーズ・ハイ 横山秀夫

1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故発生。衝立岩登攀(とうはん)を予定していた地元紙の遊軍記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。一方、共に登る予定だった同僚は病院に搬送されていた。組織の相剋(そうこく)、親子の葛藤、同僚の謎めいた言葉、報道とはー。

これぞ新聞記者たちの生き様を文章にした手に汗握るお話でした。生でこの目で見てから書いた記事を届けたいと自分達の身の危険を顧みない姿勢に誰もが心動かされるでしょう。時代は変わったけど現在こんなに情熱を込めて仕事をしている人はどれくらいいるのだろう。死に物狂いで書いた記事が締め切りに間に合わないと掲載されないと後で知った絶望たるや、それを判断しなければならない責任者の葛藤はとにかく簡単に言葉では言い表せられない苦しい世界だなと思いました。

この本には報道に自分の全てをかけた男たちの生き様が描かれていました。